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台北市「道の方向・建物の向きを読む」


だんだんと暑い季節になってきました。

台湾に行きたいな~と思う熱が高まってきて、台湾本や写真、動画などを見たりしている方も多いのではないでしょうか。私は地図を見るのが好きなので、最近はもっぱらGoogle Mapを見ています。


今回はいつものニュース情報とは視点を変え、「台北市 道の方向・建物の向きを読む」と題して、台北市内の地形や建物について紹介します。



特別な街路樹


台北の地図を眺めると東西南北、縦横きれいに整備されている道が多く、何度か台北に来られた方は、詳しい道が分からなくても街中の行きたい場所が比較的掴みやすいのではないかと思います。

(風水とも関係があると言われていますが、この話はまた別のどこかで…)


地図をよく見ると太い道が十字状に走っているのが目につきます。

これは松山空港から南下する「敦化北路」「敦化南路」とその道にクロスし東西に伸びる「仁愛路」です。


画像:ノマド制作


他にも広い道はありますが、この道が他と大きく違うところは、車線が多く広い道幅、檳榔(ビンロウ)の並木や街路樹と呼ぶにはかなり大きな木々が延々と続く道となっています。


道中に緑が多いと爽やかで心が和みますよね。

では、なぜこのクロスした道だけ特別感があるのでしょうか!?

答えはクロスした道の先にあります。


画像:ノマド制作


国内の重要な人物や遠方からの賓客の方たちが松山空港に降り立ち、まず向うであろう中華民国総統府、臺北賓館と国立国父記念館、台北市政府までの道がこの通りとなります。

もちろん全ての施設が同時代に出来たわけではありませんが、今のような国民ファーストな時代ではなく、当時は権力、外交的演出、面子など考慮した流れの上で設計された道のようです。

単純に今でも交通に便利ですけどね。


しかし、ひとつ気になるのは「敦化南路」の先には何も主要建造物がないことです。なぜ太い道が続くのかといえば、開放感を感じる視覚的な演出でしょうか!?


画像:ノマド制作


目線の先は!?


日本統治時代の軍用地跡に建設された「中正紀念堂」の中には蒋介石の巨大な像があります。遠く中国を向いて座っているといわれていますが、それよりもっと身近なものも見つめています。それは総統府の塔です。総統府は総統が執務する公邸です。中正紀念堂の門は中央が高くなっているので、少しだけ横にずらし台湾政府の象徴である総統府の塔を自然な形で常に見つめやすくし、指導者としての威厳を強調しています。蒋介石が総統府の高い塔を同じ高さで見つめている様は偶然ではなく設計者の想いを感じます。


画像:ノマド制作


圓山大飯店(グランドホテル台北)がある場所は、日本統治時代に「台湾神宮」がありました。坂上の社殿から元参道の坂道に向き、まっすぐ遠くの方向に目をやると…。こちらも総統府を向くように建てられているようです。調べてみると中正紀念堂と圓山大飯店はどちらも揚卓成氏によって設計されました。


揚卓成氏は1914年-2006年に活躍した建築家で、鉄筋コンクリートを用いた中国北方宮殿式による建築が特徴。中正紀念堂、圓山大飯店以外にも中正紀念堂の両側にある国家戯劇院と国家音楽庁や中華民国中央銀行、そして蒋介石元総統と宋美齢夫人が住んでいた士林官邸など台湾を代表する建築を多く手がけました。


画像:ノマド制作


忠義心は山向こうにも届く!?


今は衛兵交代も含め観光地にもなっている、英霊を祀る祠、「忠烈祠」。

観光客だけでなく、多くの方が参拝されています。

山を背にして立派な本殿が建っているのですが、忠烈祠の大門から本殿を線で結び、その先の山の真裏にある敷地はなんと蒋介石の邸宅であります。


総統府と蒋介石夫人がオーナーであった圓大飯店を結んだ延長線上には、1996年まで46年の間の全面的立ち入り禁止であった士林官邸公園が一般開放されました。この線上にも夫妻が好きであったバラ園や専用の教会、施設が集中しています。


画像:ノマド制作


地図素材元:Google Map、臺北市政府民政局

画像写真:全てノマドO撮影


記事担当者:東京ノマドOより

いかがでしたでしょうか?

「道の方向・建物の向き」として今回は蒋介石にまつわる話に絞ってお話ししました。様々な場所に深いつながりを感じる台北市内の地形や建物。これらは偶然でしょうか?深読みでしょうか…? と考えてしまう台湾のちょっと不思議なお話でした。



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台湾勤務の台日スタッフが、日々の暮らしの中からディープな台湾を発信しています。




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