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広がる台湾国内感染

更新日:2021年6月11日

独自の防疫対策で新型コロナウイルスの感染拡大を抑えていた台湾ですが、ここにきて国内感染が急増しています。4月下旬には国内感染者の累計が80人前後だったものが、わずか一ヵ月で4900人を越えました。今回は中央感染症指揮センターの発表により、これまでに分かっているクラスターや政府の対策を紹介します。



○4月20日、航空会社でクラスターが発生

航空会社の貨物機操縦士である50代と60代の台湾人男性が、新型コロナウイルスに感染。彼らは航空会社の貨物機の乗務員で、4月14日に別の乗組員とアメリカ合衆国に飛行し、4月16日に台湾に戻り自宅検疫を受けていました。

4月17日と4月18日にそれぞれ体調不調を感じたため、PCR検査を行ったところ陽性が確認されました。


4月21日には中華航空より、40代のインドネシア人男性1人の感染を確認したと報告がありました。男性は貨物機操縦士で、4月20日にオーストラリアに飛行し、そのあと喉の痒みを感じたため、自発的にPCR検査を受け、陽性と確認されました。

感染確認までの間に複数の濃厚接触者がいたとみられ、4月23日には男性の家族である10代の男の子と、同じ航空会社で働く50代インドネシア人の男性乗務員の感染を確認。さらに24日には同じ航空会社で働く40代台湾人の男性乗務員の感染を確認したと発表されました。その後、航空会社の乗務員を対象に集中検査を行ったところ、5月2日までに24人の感染が確認されました。


参考記事:



○4月29日、防疫ホテルでクラスターが発生

空港の防疫ホテルで働く40代男性の感染を確認。男性は4月17日から咳、鼻水、食欲不振、息切れなどの症状があり、4月19日から26日の間までに数回診療所を訪れましたが改善せず、4月27日に病院に行ったところ、新型コロナウイルス陽性と診断され入院しました。

その後の検査で5月8日までに防疫ホテルに滞在していた乗務員11人、客室乗務員1人、防疫ホテル従業員5人、防疫ホテルのアウトソーシング業者1人、家庭内感染11人の計29人の集団感染が確認されました。


参考記事:




5月11日、宜蘭県のゲームセンターでクラスターが発生

北東部・宜蘭県にあるゲームセンターに勤務していた10〜40代の女性5人とゲームセンターをよく利用していた30代男性1人の感染が確認されました。

ゲームセンターは屋内の閉ざされた場所であり、客が長時間滞在するため感染リスクの高い場所であると考えられます。現在ゲームセンターを一時閉鎖し全従業員の隔離・検査と店内の消毒や予防対策を実施しています。


参考記事:



5月11日、新北市蘆洲の食事会でクラスターが発生

新北市蘆洲で海外渡航歴のない60代男性の感染を確認しました。その後の調査によると蘆洲のレストランで5月6日に食事会が開かれており、この場所でクラスターが発生していました。食事会では参加者の殆どがマスクを着用せず、同じマイクを使用して歌う人々もおり、接触時間が長かったことがクラスター発生の原因だと考えられます。5月16日までにこの食事会に参加した31人の集団感染が確認されています。


参考記事:



5月12日、台北市万華区の飲食店でクラスターが発生

台北市万華区の接待を伴う飲食店で働く海外渡航歴のない50代女性と60代女性の感染を確認しました。また、13日には同じ店で働く30代〜50代の女性3人と、関連のある感染だと思われる60代男性1名が感染。14日までに台北区万華区周辺に関連する感染が16人確認されました。


参考記事:



5月13日、一連のクラスター感染が関連している可能性があると発表

中央感染症指揮センターは、宜蘭のゲームセンターで起きたクラスターと蘆洲の食事会で起きたクラスター、防疫ホテルでのクラスターの症例は、いずれも英国変異株で遺伝子配列が同じであると明らかにし、人と人との接触によって感染が広がったものであり、3ヵ所とも同じ感染源である可能性があると発表しました。


航空会社のクラスターのケースも英国変異株で遺伝子配列も同じであることが確認されていますが、上記のクラスターと関連性があるかまだ解明されていません。


また蘆洲の食事会で起きたクラスター関連の感染者のうち、一部の人が台北市万華区の飲食店に訪れていたことや、万華区クラスター関連の感染者の1人が宜蘭のゲームセンターの系列店2軒を訪れていたことを明らかにしました。


参考記事:



5月15日、国内感染急増、警戒レベルを3に引き上げ

中央感染症指揮センターは、新型コロナウイルスの深刻な国内感染者急増を受け、台北市、新北市の警戒レベルを3に引き上げ、感染を防ぐために制限措置を強化しました。

14日の国内感染者は29人でしたが、15日には180人に急増しました。

詳しくは下記ブログ 台湾 警戒レベルについてをご覧ください。

画像:ノマド作成


参考記事:



5月19日、台湾全土の警戒レベルを3に引き上げ

中央感染症指揮センターは、台北市、新北市以外の地域でも新型コロナウイルスの感染者が出ていることを受け、台湾全土の警戒レベルを3に引き上げました。期間は5月19日から5月28日まで。

詳しくは下記ブログ5月28日まで警戒レベル3を台湾全土に拡大をご覧ください。



記事担当 台湾ノマド Sより

4月下旬に発生したクラスターをきっかけに、各地で感染が広がっています。警戒レベルが3に引き上げられたことにより、すべての教育機関が休校となり、多くの会社もリモートワークに切り替わりました。街中の人通りも少なくはなったものの、直近一週間の国内感染者数の平均は300人を超えるなど、予断を許さない状態です。


【お知らせ】

台湾の毎日の感染者数はノマドニュースのTwitterで発表しています。こちらもぜひチェックしてみてください。




上記の情報は台湾政府や台湾の報道機関等が発信した情報を弊社で翻訳して日本の方にお伝えしているものです。誤訳や分かりにくい点がありましたら、順次、修正していきますので、こちらからご連絡ください。


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